小野寺史宜さんの小説「まち」を、通勤中にオーディブルで聴きました。
以前レビューした「ひと」と同じく、とてもよかった一冊です。
素朴な主人公に親しみがわいて、気づけば心から応援していました。
オーディブルで「まち」を聴いてみる
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「まち」はどんな話?(ネタバレなし)
主人公は、江藤瞬一(えとう しゅんいち)という青年です。
両親を亡くし、尾瀬で歩荷(ぼっか)をする祖父に育てられました。
高校を卒業すると、祖父にすすめられて東京へ。
荒川沿いのアパートで、引越しのアルバイトをしながら暮らしています。
物語は、瞬一が東京の「まち」で人と出会い、少しずつ自分の居場所を見つけていく話です。
素朴な主人公に、親しみがわく
この小説でいちばん心に残ったのは、主人公の瞬一です。
瞬一はとても素朴で、どこにでもいそうな青年です。
特別な才能があるわけでも、大きな夢を語るわけでもありません。
でも、だからこそ「自分のことのように」親しみがわきます。
悩みながらも、目の前のことにまじめに向き合う姿。
聴いているうちに、自然と「がんばれ」と応援していました。
「ひと」の聖輔もそうでしたが、小野寺さんの小説の主人公は、本当に素朴です。
その素朴さが、この作者の物語の魅力だと思います。
祖父の存在が、物語をあたたかくする
瞬一を育てた祖父は、尾瀬で荷物を背負って山を歩く「歩荷」の仕事をしています。
多くを語らない、でも孫のことをよく見ている人です。
瞬一に東京へ出ることをすすめたのも、この祖父でした。
二人の関係は、読んでいて(聴いていて)じんわり温かくなります。
離れていても、つながっている家族の形も、この物語の魅力です。
「ひと」が好きな人は、ぜひ
「まち」は、「ひと」と同じ世界の物語です。
登場人物は違う、別のお話ですが、どこかでつながっています。
「ひと」を聴いた人なら、思わずニヤッとする場面もあるはずです。
どちらから聴いても楽しめますが、「ひと」→「まち」の順がおすすめです。
オーディブルで聴いてよかったところ
「まち」も、耳で聴くのにぴったりの小説でした。
- 話が静かに進むので、2倍速でも追いやすい
- 登場人物が多すぎず、耳だけでも迷わない
- 疲れた帰りの車で聴くと、ほっとできる
大きな事件が起きる話ではありません。
だからこそ、仕事終わりの帰り道に、ちょうどいい温度の物語です。
「まち」はこんな人におすすめ
- 「ひと」を読んで(聴いて)よかった人
- 素朴でまじめな主人公を応援したい人
- 派手さより、じんわり温かい話が好きな人
- ひとり暮らしを始めたころを思い出したい人
ほかにも、通勤で聴いてよかった小説をまとめています。
あわせて読みたい通勤で聴いてよかった小説5選|オーディブル聴き放題で選んだ本まとめ:応援したくなる主人公に、元気をもらえる
- 素朴な主人公・瞬一に、自然と親しみがわく
- 祖父とのつながりが、じんわり温かい
- 「ひと」と同じ世界の物語で、あわせて聴くとより楽しい
素朴な主人公を、心から応援したくなる一冊でした。
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最終更新:2026年10月17日

